Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

借用書なしで金を貸す西成のねえちゃん「人を信じる力」(WEDGE)

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/854

大阪のドヤ街、西成のケースワーカー入佐明美さんを紹介。

日雇い労働者たちに、借用書なしで私財を貸し続け、それがほぼ100%返済されてきた。なぜ貸せるのか。なぜきちんと返すのか。

きっと包容力があって話しやすく、親しみを感じさせるような人懐こい方なんだろう。でももちろんそれだけじゃないはずだ。記事を読むだけではその「なぜ」は読み取れなかったけど、今オレが携わっている仕事にあてはめて考えることができたのが、記事の次の一節。

「お前を信じている」と言うのはたやすい。でも実際には、肩書きとか新聞に載っていたとか紙証文とかを信じているのであって、中身を信じているわけではない。

(p.110)

この記事は良かったけど、駅売りのこの雑誌、おじさんたちの懐古趣味がぷんぷんにおってくる。全編に渡って明朝体で統一されているあたり、「古き良き時代」へのあこがれであり、ただのカッコつけだ。

(WEDGE2010年5月号)