Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

告白

D


ヤバい!っヤバい!ヤバいって言葉は何の説明にもなってないから普段使わないんだけど、これはヤバい!ヤバいという言葉でこの恍惚、この興奮を表現させてほしい!と、鑑賞後急いでTwitterでつぶやいた。

上映中、画面からひと時も目が離せず、身動きが取れなかった。右隣に知らない人が座ってて、左隣側は3つ分も空席だったので、席を移ろうとはしたんだけど、タイミングがぜんぜん見つからなかった。それどころか、時折口をあけてマヌケな顔になってる自分に気づきあわてて閉じるけど、けどまたすぐに元に戻る。どういうことか。スクリーンの中で起きる事はことごとく悲惨なんだけど、それがとてもおもしろい。普段おれがおもしろいって言葉使うときは大抵「interesting-興味深い」なんだけど、これに限っては「fun-楽しい」の方。手放しで「fun!」と称賛できる映画はなかなか出会えないものだ。

中学生は所詮中学生で、人生経験の差から考えても、大人からすればその行動は読めるもの。悲しみに打ちひしがれながら事の顛末を達観し高笑いをする松たか子が最高にカッコいい。それにしても一番悶えたのは、KYな熱血教師ウェルテルに対して殺意のカケラを持ってしまったとき。KYだっていいじゃないかと、おれは基本KY肯定派なんだけど、さすがにあれはマズい。すべてオマエのせいなんじゃないかと本気で思えてくるのだ。

血しぶきはもちろん、雨上がりの水溜り、床にこぼした牛乳、部屋の壁などいろんなものが吹っ飛ぶが、何度も流される涙だけは、滴り落ちることすらなかったのが、なんとなくよかった。