Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

子どもの秘密がなくなる日 - プロフ中毒 ケータイ天国


前略プロフィール」(通称「プロフ」)は、アンケート形式で項目を埋めていくだけで自己紹介ページを容易に作成できるウェブサービス

  • カバーより転載

ネット・カメラつき携帯電話を子どもが自由に扱っているのは日本だけ。「プロフ」は、そんな土壌に咲いた子ども文化だ。ネット上の自己表現を楽しむ一方で、「プロフ」に書き込むためにことさらに無軌道なことをしたり、携帯電話依存症に陥ったりと、問題も多い。学力低下やネットいじめの温床になることもある。今や7割の中高生が利用すると言われ、子どもたちの間にしっかりと根を張っている「プロフ」。女子中学生たちへの綿密なインタビューとともに、著者が身をもって「プロフ」を体験しながら、ほとんどの大人は知らないその実態をリポートした、渾身のプロフ本!

著者は、元テレ朝系報道記者。現在は、メディア・リテラシーの観点から子どもの「性」や「いじめ」、男女共同参画などのテーマに取り組むジャーナリスト。


内容は新鮮。プロフについてこれだけ調べたレポートは他に見ません。プロフがSNSのように使われるようになったのは2006年頃で、今ではかなり流行しているのに、プロフの問題点を指摘するメディアの報道は見かけたことがないので、なかなか貴重なレポートだと思います。親に対する注意喚起としては「とにかく子どもに使わせないこと」という論調が多いですが、いくつかプロフのメリットについてのヒアリングもあったので、子どもたちがプロフのどこに魅力を感じ、ハマるのか、体系的な分析があればなお良かったかなと思いますが。子どもたちは予想以上にネット・リテラシーを身につけていて、プロフを利用する中で自分で危険を判断できている、とされていますが、女子中学生のお子さんを持つ親御さんには、一読をお薦めします。