戦略と実行: 組織的コミュニケーションとは何か
- 作者: 清水勝彦
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2011/03/24
- メディア: 単行本
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この本が語る内容で最も重要なのは、「戦略とは仮説である」ということです。
「実行」は戦略の後工程ではなく、「戦略を練り上げる」プロセス。―ぼくには、このワンフレーズが強く印象に残りました。戦略の具体化には限界があって、ある程度のところでわりきって実行に移さないといけない。けれどそんな未完成の戦略をだれが実行するのか。ということで、戦略の実行においては、「仮説」と知りながら全力で取り組むよう人を動かすためのコミュニケーションの役割が非常に大きいのだということについて、いくつかの事例を紹介しつつ、論じられています。
最近またCEOが内紛で解雇されて話題になっているHPも、失敗の事例として詳しく書かれており、とても興味深く読めます。
最終章では、「組織の実行力」について次のように鋭く指摘しています。
組織の実行力とは、差別的で具体的なイメージとして共有できる「核」を作ることと、反対があっても各論を決め、実行に移せるかどうかの二点にかかっている。
この本、会社で有志が集まって輪講形式で読み込み→発表→自由議論を行ったのですが、自社のケースにあてはめながらじっくり読み込むと、戦略とその実行について、考えがとてもクリアになりました。