Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

The Lady 引き裂かれた愛

僕のミャンマーに対する関心の始まりは、学生時代に少しだけ参加していたアムネスティインターナショナルの大学支部の活動で読んだニュースレターだった。アウンサースーチーさんっていう長い名前の女の人が、自宅軟禁っていう頭にはてなが3つくらい浮かびそうな想像しがたい状態に置かれていて、その関係で過去にノーベル平和賞を受賞しているということだった。アムネスティは政治囚の解放に力を入れているので、ミャンマーの実情は当然の関心事だった。

二度目のきっかけは、2010年、アカデミー賞にもノミネートされたドキュメンタリー映画「ビルマVJ 消された革命」を観た衝撃だった。そのときの感想はこちら。このときに、最近話題の"難病女子"大野更紗さんとTwitterで絡むことがあって、そのおかげでミャンマーに対する情報を少し補給することができた。

それ以降、ミャンマーの内政に対するアンテナは一般の人より高く張れていると思う。この度の民主化への方針転換とアウンサンスーチーさんの解放、そして日本企業の進出の話題は、強い関心を持って注視している。

リュック・ベッソン監督がメガホンをとった「The Lady 引き裂かれた愛」は、アウンサンスーチーさんとその家族のお話がメインのヒューマンドラマ。アウンサンスーチーさん役の女優ミシェル・ヨーさんの演技がほんとうに素晴らしくて、特にノーベル賞授賞式のシーンは、悲しくて悲しくてぼろぼろ涙湧いてきた。日本でどんなにタフなチャレンジをしても、彼女ほどの悲しみに対峙させられることはない。そう考えると、未知の領域にチャレンジする勇気が湧いてくる。観終わった後、すぐには立ち上がれず、自分の成すべきことについてぼんやりとでも考えることができた。

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