Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

5つ数えれば君の夢

D

思考がピリピリしてきた。思春期の女の子の魅力と醜悪のアンサンブルは、衝撃的な処女作「あの娘が海辺で踊ってる」の流れを汲んでいながら、主人公に5人を据えた複層的な物語になって味わいが格段に増している。妄想にリアリティが少し同居し始めている点にも、弱冠23歳の山戸監督の今後の商業的成功に期待してしまう。

凡庸な人物として描かれた青年/少年がなぜか魅力的に見えるのも彼女の作品の面白いところ。女の子が男の子を好きになる感覚ってこんな感じなんだろうか。昨年観る機会を逸して悔しい思いをした前作「おとぎ話みたい」が完全版として今年公開予定とのことで、こちらも待ち遠しい!