Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

薄氷の殺人



中華系の映画で登場人物たちの心境を示唆する象徴的な食事の風景として、よく「肉まん」が出てくるのは、どうしてなんだろう。しかも、出てくると必ず食べたくなっちゃうんだよね。今日観た「薄氷の殺人」もそうでした。帰りに成城石井で購入笑

使い古された「アル中刑事」「事件の陰に女あり」だけど、「過去にケジメをつける」ことをはっきりと話の中心に据えた潔さが奏功。清々しい終盤も堪りません。失われた大切な人に対する想いと、面前の情動の狭間で、石炭のように重々しく氷のようにひりひりするやりとりが、その放つ光の滑り具合をじりじりと変えていくような展開が秀逸でした。ベルリン国際映画祭グランプリ。
にしても、なんで国によってタイトルが全然違うんだろうな笑
原題: 白日焔火(白昼の花火)
英題: Black Coal, Thin Ice