「素晴らしき美術史」「人間と物質」 ほか(PARASOPHIA)
PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015
京都で3月から開催されている現代芸術祭に行ってきました!
出品作家が豪華なのです。
どんなイベントか?をざっくりお知りになりたければ、↓こちら↓もどーぞ。
注目作家
Gustavo Sperodiao
個人的ハイライトは、本展がアジア初出展となるブラジルのアーティスト、Gustavo Speridiao(グシュタヴォ・シュペリジョン)
出品作"The Great Art History"は、米国の有名写真誌『LIFE』のアーカイブ写真集に落書きを足したもの。反感買うレベルにキツいブラックジョークばかりですが、アイロニーの枠に収まらず、芸術の鑑賞作法に対する批判が込められているため、不思議と清々しいのです。
田中巧起
2013年ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館アーティストに抜擢された田中巧起さんの展示室には、魔術がかけられていました。作品は、京都の高校生に参加してもらったワークショップの記録映像を核としたインスタレーションです。ワークショップで朗読されるのは、1970年「東京ビエンナーレ」展のテキスト。それに読まれる「人間と物質」の関係が構築される場としての機能がインスタレーションに発現していて、私はそこでしばしの間、人間とアートの関係について思案することができました。
[Vimeo] Activity 1 / Provisional Studies: Workshop #1 “1946–52 Occupation Era, and 1970 Between Man and Matter” https://t.co/8geCem7c0l
— ISHIKAWA T@dash! (@tdswordsworks) 2015, 5月 5
[Vimeo]Activity 2 / Provisional Studies: Workshop #1 “1946–52 Occupation Era, and 1970 Between Man and Matter” https://t.co/8BcFU03QEI
— ISHIKAWA T@dash! (@tdswordsworks) 2015, 5月 5
その他
他に、僕にとって特に印象的だった作家は以下のとおり。カッコ内は活動拠点。
ゴンザレス=フォルステルと石橋さんはビデオインスタレーション、アラン・セクーラはスライド写真の連作、笹本さんはダンスパフォーマンスの映像記録。ここに挙げた6人の作品、いずれも映像か写真が核になっています。
この芸術祭自体やたらと映像作品が多くて、鑑賞に時間がかかるのが難点でした。たしかに映像作品にすると情報量を多くできるので直感的に理解しやすく、現代アートにとっては大事な表現手段かもしれません。けれど、美術館を出て生活の現実の中にアートを取り込む動きにはつなげにくくなります。現代アートの価値を高めて畏怖の対象にすることも必要かもしれませんが、お堂に安置されている仏像と同じでいいのかなーというのがこの芸術祭に対する疑問。京都らしさという点ではこれでいいのかもしれないとも思うのですけどね。