Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

Between Two Worlds

「2つの世界の間で」(スリランカ

http://www.filmex.net/2009/compe.htm

http://eiga.com/movie/55034/


映画表現について考え直させる映画。内容はフィクション、映像で魅せる作品とくれば、もう少し観客受けがよくてもよいのだけれど、この作品はあくまで映像のアートであり実験作なのだ。連日の残業でへとへとに疲れていたので当然睡魔に襲われ、構成をちゃんと理解できていないのだが、どうやらストーリーそのものが曖昧さを相当に含んでいて、観客の解釈に委ねる部分がほとんど。「第10回東京フィルメックス」という映画祭での上映で、パンフレットに「寓話的世界」「神秘的な映像」と書かれていたので、もっとメルヘンなものを想像していたのだが、場面設定や状況の説明がほとんどなされず、「2つの世界の間」を往復するようにして展開する映像は、作品に基づく何らかの意味を与えてくれるようなものではない。平たく言えばつまらないのだが、同時に自由で、頭でっかちで、可溶性のある作品。脳裏に残る美しい映像は、噛み締めるたびに異なる印象を与える。こんな映画があってもいい。