Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

ありとあらゆる問題に共通する『解決への糸口』を教えよう

COURRiER Japon 2010年10月号 p.26-29 「ありとあらゆる問題に共通する『解決への糸口』を教えよう」 written by Chip Heath & Dan Heath (チップ・ハース&ダン・ハース)


  • 問題の中に隠れている「明るい材料(Bright Spot)」を見つけて、それを増やすように試みる。
  • 「真実だが役に立たない」情報にとらわれて、時間を無駄にしてはいけない。 -知識だけでは行動は変わらない。実践するための道筋を立てることが重要だ。

ベトナムの子供たちの栄養不良の問題を、どうやって解決したか? 原因から考えた、貧困を撲滅しよう、浄水設備を整えよう、という解決策は、間違いではないけれど、手っとり早い解決策ではない。あるNPOの担当者が、同じような貧困状態の中にありながらも栄養不良を避けられている子供たち(ブライトスポット)を見つけ、 彼らが他の子供たちと、一日の食事回数や食材が違っていることを突き止めて、その食生活を真似させるという、村人にとっても現実的で持続可能な解決策を見出だした事例などを紹介。

問題解決のためにまず原因を突き止めるのは当たり前だと思っていたので、目から鱗でした。けれど読み進めるうちに、各事業部で日常的に取り組んでいる「営業力向上」とか「サービス改善」ってこれと同じだ、と思い当たりました。ハイパフォーマーの行動パターンをチームに共有して、とりあえず真似してみて、試行錯誤を経て、「個力の強化」、チーム全体の仕事の質の向上につなげていく。うちの社員の成長が早いとして(事実検証はしませんが)、それは、そうやって速効性のある解決を繰り返してきたからなんじゃないかと。けれど、一件一件のサービスの質を高めていくのはそれでいいけど、会社全体としてはどうしても品質がバラバラになり、事前期待を満たさないサービスに触れたときに顧客が離れていってしまう。どうやって組織全体のサービス品質を保てばいいのか、ブライトスポット(他社の好事例)を真似たいと思って調べてみても、接客業のようにマニュアルが有効な分野ならまだしも、個人の力量に左右される「営業」や「コンサルティング」のような分野では、まだ情報リソースが少な過ぎることに気付きます。ブライトスポット探しではなく、原因を突き止めて問題解決まで導く突破力を身につけたいと思いました。