ビッグデータの衝撃
- 作者: 城田真琴
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/06/29
- メディア: 単行本
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「ビッグデータ」。今年に入ってから頻繁に聞くようになった旬のワードであり、そうでなくとも日常的にメディアに触れていれば「ビッグデータ」を活用したコンテンツに触れないことはまず考えられないだろう。例えば僕が従事している人材業界との関連で考えると、今やビッグデータを扱うことのできるスキルを持つ人は引く手あまただ。ほんとうに人が足りてない。それほど急に注目を集めている分野なのだ。
本書は、Amazon.co.jpでは、ビッグデータに関する現時点で最高の入門書という評価に落ち着いているようだ。特筆すべきなのは、紹介される先行事例が非常に具体的にポイントを押さえていてわかりやすいこと。海外ではZynga、eBayという有名企業の取り組みのほか、「え?こんなことやってる企業があるの?」と、まさに目からうろこが落ちるようなマーケティングへの活用事例が詳しく載っている。国内企業ではコマツ、リクルート、グリーなどがピックアップされている。
「ハドゥープ」というデータ分散処理技術がビッグデータ活用の肝らしいが、この本を読むまで素人の僕にはさっぱりそれのなんたるかが理解できなくて、そのあたりもちゃんと背景とか企業のアプローチとか含めた解説があるので理解の助けになった。
あと、ビッグデータ活用において必ず課題となるのがプライバシーだけど、これについても本書の守備範囲。海外のプライバシー法令の整備状況、適用範囲の微妙な差異などが詳しく書かれているので、ビッグデータ活用を担当する企業担当者はぜひとも手元に置いておきたい一冊。
個人的には、ビッグデータを扱う「データサイエンティスト」に非常に興味がわいた。ってかデータ分析やりたい。楽しそう。これって今からでも勉強すれば身につけられるんだろうか。なんだかとっても広大なフロンティアを前にしてわくわくしてくる、そんな読後感だ。