Rays and Waves

tdswordsworksによる映画・音楽・アート・書籍などのレビューや鑑賞記録。

あぜみちジャンピンッ!

D

耳の聞こえない女子中学生がストリートダンスと出会い、そこで生まれる衝突や葛藤、周囲の反応を描く感動作。世界各国の映画祭で観客賞などいくつも賞を獲っている。序盤の展開は割とありきたりという感じで、ストリートダンスのチームに優しい友人ができ、一方でそれまでの友人とは疎遠になっていく。但し後半はすごくよかった。ダンスに夢中になっていた主人公が何かをきっかけに絶望の底へ突き落とされるのだろうと思っていたが、違った。はい、ここで泣きます。

舞台が新潟県の稲作地帯というのは重要なポイント。母親の出演シーンがそんなに多くなく、親子が会話するシーンも1度しかなかった気がする。つまり、聾唖の少女の成長を描く話でありながら、実は友人関係を軸とした普通の少女の成長物語になっているのだ。聾唖の女子中学生がどのように困難を乗り越えていくのか、周囲はそれにどうかかわったのか。ほんとうに見応えがあった。

なお、劇中でダンスコンテストのソロ部門のテーマ曲として何度もフィーチャーされているのは、「2girls -in the sepiatone-」という2006年の曲で、俺がもともと好きな曲。まさかこんなところで聞くとは思わなかった。クラシックの要素を取り入れたメロディー(当時流行ってた)とボーカルの噛み合わせがすごくよい曲でオススメ。歌詞もこの映画にぴったり。

2girls~in the sepiatone~

2girls~in the sepiatone~


ポレポレ東中野に行ったのは、俺が昨年お気に入りの5位にランクインさせた「ロストパラダイス・イン・トーキョー」以来2度め。そして今作が今年のランキングで5位以上に入るのはほぼ確実とみている。このミニシアター打率高し。